思いも寄らず色段取れた男の3.5周年Pカップの話《透3位》

こんにちは。1年ぶり2度目の参加となりましたPカップでしたが、なんと透の3位を取ることができました。ちなみに前回参加した2.5周年Pカップは6位でした。

 

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記録として残したいのもあって、ブログを書かせていただきます。

今後Pカップを走る方たちの参考になれば幸いです。

 

 

完走した感想

意気込み

今回は終わる直前までグリムジョー・ジャガージャックって名前で走ってました。

「3位ならグリムジョーじゃなくてハリベルだろ!」

と思ったそこのあなた。あなたが正しいので、言われる前に変えました。

 

なぜグリムジョーの名前を騙ったのかというと、ずっと前から6位の一点狙いだったからです。

・前回が6位なので、また取ったら面白いんじゃ

・ノクチルが6番目のユニット

・第6十刃のグリムジョーが好き

・大切に保管してるリボーンのガチャの中でもフランが持ってる666(セーイ・セーイ・セーイ)というヘルリングを結構気に入ってた

などから6という数字かなり好きなんですよねぇ。それに悪魔の数字ってまさに中二で良くないですか?

 

Pカップ開始

6位狙いとは言え調整するまで全力で走るつもりだったので、停止時間を極力抑えて全力で走っていました。

すると3日か4日目あたりで(あれ?これワンチャン色段狙えるんじゃ)って考えが過りました。それからは完全に6位狙いは捨てましたね。

途中、4位のMethylさんに一周差くらいまで詰められたときは、めちゃくちゃ焦って必死こいてやってました。

それまでアニメ観ながらやってましたが封印せざるを得なくなりました。

追いつかれるまでの速度よりも早くなったと思うので、ライバルの存在って大切だなって思います。

 

稼働

途中1時間半ほどやれてない時間はありましたが、最終日以外ほぼほぼ全稼働でした。

Pカップ始まってからストレスかはわからないけど不眠症になったのがかなりキツかったです。寝つきが悪く、寝れても2,3時間で起きてしまうことが4日間ほど続きました。

明らか寝不足なのに眠気が襲ってこなかったのも恐ろしかったです。

ただその後、5日目あたりで眠気がくるようになり最後のリフレできっちり5時間寝れました。

 

まとめ

走法規制のロックが追加されたことに様々な意見があると思いますが、正直自分はこれのおかげで色段取れたと思っています。

上位陣が一周10分どころか9分まで切ってる中、ブクマ走法を使ってやっと12分切れて喜んでたぐらいなのであのままの環境だったら確実に埋もれてました。

文句がたくさん飛び交う中で歓喜するのは大変憚られますが...

それと「Pカップを走る」制約と「プラチナに入らなかったら命を絶つ」誓約をしてたおかげで、色段にも届き得る牙を手に入れれましたね。

とにかく、来年から社畜なのでおそらく今後ここまで本気で走ることはないと思います。有終の美を飾ることができたんじゃないでしょうか。

 

 

 

走法など

はじめに

Pカップを走って上位を狙うのに一番大事なのは、どれだけ本気になれるかだと思います。

そこでPカップが始まる少し前に出会った言葉を載せます。

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これはちょうど10月から始まったアニメ「ブルーピリオド」のセリフで、美術に興味を持ち始めた主人公が、先生に美大に入れるかを聞いた場面です。

アニメでこのシーンを見た時、胸を打たれてめっちゃ感動しました。

Pカップは度々走る意味を問われるイベントですが、やはり得られるものは称号などの報酬以外にもあると思います。

可能不可能を考えるより、好きで興味を持ったならできる限りの努力をするべきだと感じました。

 

ちなみにブルーピリオドはアニメ観てすぐに原作全巻買いました。

 

準備

食事は去年、おそらく固形物をほぼ食わずにゼリー・ヨーグルト・野菜ジュースで過ごしてた所為で、扁桃炎になってしまった説があったので、今回は固形物を用意しました。

リフレ時間に冷凍食品を食べて、それ以外はフルグラだけ食ってました。

コップでフルグラを掬って食べるのはかなりオススメです。(レーズンは苦手でしたが)

 

端末はipad pro5使ってました。比較してないので厳密にはわからないのですが、新しめのiPadなら速度そんなに変わることはない気はします。

pro5が最強だと信じてますが。

 

回線もかなり速度に関係しましたね。Pカップ始まる少し前に1万3000円ほどのルーターに変えたら、前のは80くらいだったのに400Mbpsくらい出るようになりました。

有線にする前にルーターを見直してみてください。自分の場合は約30秒の短縮になりました。

光回線にもVDSL方式・光配線方式・LAN方式があってそれぞれ速度が違ってきますので、より速度を求める方は調べてみてください。

 

練習

Pカップ上位勢は、普段から歌姫周回してる人が多いんじゃないでしょうか。

斯く言う私は、テストプレイのための周回程度で、EX集めなどほぼやってません。

 

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3.5周年Pカップ終了時点のファン数は御覧の通りです。

2.5周年では10憶7777万7777人、3.5周年では10憶人なので、Pカップ以外で稼いだファン数は約13憶人になります。少ない方では?

それにPカップ中は準決敗退なのでEXの質はあんまですし。

 

ですが今回、練習の重要性を改めて感じました。Pカップ始まった最初の方に比べて、後半の方が明らかに早くなり安定するようになってました。

これがスタート時点からできてたなら2位も狙えてたんじゃないかと思うくらいです。

 

ただし私の座右の銘は「妥協はしても後悔はしない」なので、反省をする程度で悔いることはありません。Pカップ走る方も悔いのないようにしましょう。

 

編成

参考程度に載せますが、最適解ではなくこれでもできるよって程度に見てください。

真似るなら別の人を参考にした方がいいです。

 

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一般的なVo極です。

游魚円香じゃない方がいいのはわかってますが、育成でも使えるEX集めも兼ねて入れてました。

透に親愛度金3枚、サポは凛世にラジオ滞在で他はVoステUPです。

今回初めての強化週間期間中のPカップで、EX集めの重要性がさらに増したと思います。

親愛度金3枚か、虹3枚かで全然違います。あと朝コミュ一回で登山できたという場面も何十時間もやっていると数えきれないほど遭遇します。

普段通りであれば雑誌周回でメンタルとSPUPをつけてますが、そちらは金と虹でさほど差はないと思われます。

しかし、こと登山に関しては虹の親愛度3枚あるかないかで、一周30万近くの差が出る可能性があるのでかなり重要です。

 

ちなみに私は差を減らすために後半から約束発生率UPのアイテムを持ち込んでました。

金3枚では朝コミュ2回と約束1回では登山できないので、2回目の朝コミュでできるだけ約束が発生するようにしたかったからです。

発生率大のアイテムを使えば、計測してないのであくまで体感ですが登山率が上がりました。

 

走法について

こちらも編成同様、最適解ではないことをご了承ください。

誰とも相談せずに自力で試行錯誤して行った結果、早い段階で私が辿り着いた結論はロックされない安定択をとることでした。

具体的には、レッスンの間は普通にブクマ走法を使って、オデでは★の回収などで時間が多く使われるターン一回のみブクマを使ってました。

それで一周早くて13分強、ほとんどは14分半くらいでした。(ちなみに透一位のふろんさんは1時間で5周できてたみたいです。勝てねぇ。勝てねぇよ…こんなヤツが同担だったんじゃ、勝てるわきゃねぇやな…)

一日にロックされる回数は多くても2回とかに抑えて、ロックされない日も何日かありました。

 

ただ、みんな手探りの状態から始まったので、おそらくこれが通用したのも今回だけだと思われます。

公開され共有されるかはともかく、今後は仕様を考慮したギリギリを攻めたやり方が見つかるんじゃないでしょうか。

 

おわりに

正直に言うと、またPカップを全力で走りたいと思ってます。

走ってる最中は苦しいのに終わるとまた走りたくなる・・・乗ってるときは怖いのにまた乗りたくなるジェットコースターに似た感覚ですね。

 

最後に電子の砂漠から当ブログを見つけてくださり、ありがとうございます。

また機会があることを夢見て・・・

 

終わり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

記事は書き終わったのでここまで見てる人はほとんどいないですよね。

 

実はかなり前に綴ったSSがあるのですが、「SSを書きました!」って公開する勇気もなかったので、供養を兼ねてここに残しておこうと思います。

ぴよ、黒歴史を共有しよう...

 

『浅倉透と僕』

 

 茹だるような暑さの中、額に汗を浮かべながら走る。今日は友達と少し離れた大きめのプールで遊ぶ予定だったが、初めて通る道なのに油断したのが悪かった。道を間違えてしまい遅刻の危機に瀕していた。


「あっ!・・・あー・・・・・・」


 必死の走りも虚しく、すんでのところでバスが行ってしまった。お母さんに一人で大丈夫と言った手前、今更親に頼ることもできない。

 一先ず息を整え、額の汗を拭う。今まで気にならなかったセミの声が嫌に頭に響く。


「歩いた方が早いよ」


 僕には少し高い位置の時刻表を確認しようと背伸びをしたところで、女の人が話しかけてきた。肩甲骨あたりまで伸びた長めの髪に、白いノースリーブのワンピースを着ており、麦わら帽子を被っている。

 見たところ荷物はないため、散歩だろうか。


「駅でしょ。あと40分くらいこないから、バス」


 遅刻しちゃうのは確定かぁ。それにしても綺麗なお姉さんだなと思う。何処かで見たような気がするけど。
 そっかぁ、と言ってため息をつきながらバス停のベンチに座った。


「行かないの?」


「ここでバス待ってる。暑いし今から行っても遅刻だし・・・」


 日陰だし風が当たって気持ちいいし。・・・待たせてるから時間の余裕はないけれど。あとであいつらには連絡入れとけばいいだろ。そんな適当さが災いしてこうなってるという考えは即刻捨てる。


「あの、お姉さんは?」


「じゃあ私も待とうかな、一緒に」


 そして僕の隣りに座ってきた。独特な雰囲気の人だなぁ。今まで会ってきた大人の人とは全然違う。なのにさっきから既視感を感じて仕方がない。会ったことある大人など、精々親戚や友達の親や先生くらいなものだろう。
 一旦考えるのを止めてお姉さんから視線を外すと、目の前の公園に気付いた。そういえば遠出するときはいつも車でバスを使うことなかったし、こっちの方にくるのはあまり無かったし、この公園で遊んだ事は無かったか。

 あぁ、ここにはジャングルジムがあるんだ。昔はいっぱいあったみたいだけど、だんだん減っていって今はテレビとかでしか見ることないかも。


「遊んできたら?ジャングルジムで」


 え、そんな遊びたそうしてたかな。とはいってもこの炎天下の中、わざわざ太陽に挨拶する謂われはない。


「・・・いい。遊んだこと無いし」


 それになんだか恥ずかしかった。よく分かんないけど。なんかお姉さんニヤニヤしてるし。


「ふふっ。いいのかな?きっと行きたくなるよ」


 何を言ってるのか分からず呆けていると、お姉さんがすっと立ち上がった。


「行くから、私が」


 そう言って公園に向かって歩き始めた。肌は白く、とても外で遊ぶような人には見えないのにどこか楽しそうだ。まるで子供の頃を思い出すように。


「来たくなったら、おいでよ」


 置いてかれる気がした。ただ、ベンチに残されるだけじゃない、もっと大切な何か。


「待って!」


 反射的に声が出てた。


「一緒に登ろ!」


 僕はジャングルジムに向かって走り出す。お姉さんよりも早く頂上に登りたくて。ジャングルジムに近づいて上を見ると、思ってたより高かった。
 手をかけて足をかけて、なかなかうまく体が動かせない。もたもたしてたらお姉さんが追いついた。そしてすいすいと登って行って、あっという間に頂上に着いた。
 僕は悔しいのと同じ景色が見たい一心で、必死にジャングルジムを登った。そしてようやくお姉さんの所まで来れた。凄く高かったし長かったと思った。


「やったじゃん」


 そのお姉さんの言葉が何より嬉しかった。頂上に座って一息つく。その時、ふと思い出した。


「お姉さん、もしかしてアイドルだった?」


 お父さんの部屋でお姉さんを顔を見た気がする。たしかお父さんが昔ファンだったアイドルで、僕が生まれる何年か前に引退したんだっけ。その後お父さんはショックで、アイドルの応援に熱入れられなくなったとか。


「よくわかったね」


 きっとこの人の凄いオーラ(?)みたいなのがないと分からなかった。お父さんから1回聞いたことあるだけだし。名前は確か・・・


「あさくらとおる?」


「せいかーい」


 見た写真からもう何年も経ってるのにちっとも変わってない、いや少し美人になってるかも。


「アイドルってどんなのだったの?」


「んー、最初は学校と変わんないなーって思ってた。その後はいっぱい息して・・・あー生きてるなーって」


 どういうことだろう?よくわからない。


「プロデューサーって人がいて、その人のお陰じゃないかな。アイドルになれたのも色々出来たのも」

 

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 それから俺は要領を得ないものも多々あったが、浅倉透からたくさんアイドル時代のことを教えてもらった。ノクチルというユニットで活動してたこと。幼馴染のことや、こなした仕事のこと。そして、アイドルになるずっと前にプロデューサーと出会ってること。
 もっと聞きたい事があったけど、バスが着いてしまった。浅倉透は何故かバスに乗らなかった。今思えば、元々バスに乗る予定じゃ無かったのかもな。
 友達と合流して遊んでても、浅倉透のことが頭から離れなくて上の空だったと思う。その夜、俺はどうしても気になって親父に頼んでグッズとか映像記録とか色々見せてもらった。浅倉透に会ったことを親父に話すと、心底羨ましがってて居た堪れなかったのを覚えてる。
 そこから何日間もかけて、録画してたTVのバラエティ番組やライブ映像などを観た。wikiなど使ってたくさん調べた。調べれば調べるほど、知れば知るほど俺は彼女に惹かれていった。
 正直最初は目立つ所がない、キャラの薄いやつだと思った。確かに顔はいいし目を惹き付けられるけど、アイドルなんてみんな美男美女だし、ビジュアルなら雑誌のモデルの方が凄いだろと思っていた。

 しかし一緒にアイドルをやっている幼馴染という存在、彼女の視ている独特な世界、それらを知れば彼女の良さに気付き始め、彼女のことがもっと知りたくなっていって深みに嵌まっていった。

 その時に俺は決めた。アイドルになろうと。アイドルになって浅倉透と同じ景色を見たい。もっと彼女のことを理解したい。そしてトップアイドルになり、あれから何度もバス停と公園に行っても出会えなかった彼女に、あの時会った少年は俺だと思い出させたい。
 そうして運命の出会いから10年経った俺は今、283プロの男性アイドルのオーディションを受ける。デビューするなら同じ高2の時だと決めていた。アイドルなんてなりたくてなれるもんじゃない、わかってる。だが容姿だって気に掛けるようになったしできる限りの努力はしてきた。

 283プロの規模は大手アイドル事務所には劣るものの所属するアイドルは一流揃いだ。設立からしばらくは女性しか所属していなかったが、数年前から新たな試みとして男性アイドルもデビューし始めた。アイドルを目指し始めたころは283プロには入れないと思っていたから、これは俺のために訪れたチャンスだと思った。もちろん、例えここでオーディションに落ちても諦めるつもりはないが。
 なんとか書類審査は通った。あとはプロデューサーとなる人との面接だ。

 通された会議室で待っていると、スーツも着慣れていないような若い男が入ってきた。挨拶を交わし自己紹介を終えたところで、


「お若い方ですね」


 と思わず声に出してしまった。嘗て何人もの283プロのアイドルをプロデュースしたやつが来ると期待していたとはいえ。


「あー先輩が来ると思ってましたか~?先輩はプロデュース業を辞めて、今は若くしてここの役員になってますよ~」


 まずい。事務所について詳しく調べられてないことが露呈してしまった。これは悪い印象を与えてしまったか・・・?


「私はつい先日この事務所に入ったばかりなんです。よろしくお願いします~」


「はい。よろしくお願いします」


 やはりそうか。俺との歳もそれほど離れていないだろう。もしこいつが俺のプロデューサーになるなら経験が浅そうなのが心配ではある。俺のプロデュースは自分でも頑張らないとな。


「それでは早速質問にいきますね~。まず、なぜアイドルになりたいかというのと、ここを選んだ理由を教えてください~」


「アイドルを目指す理由は、ファンに笑顔を届けられるアイドルになりたいというのと、トップアイドルになる姿を見せたい人がいるからです。283プロを選んだ理由は、感銘を受けたアイドルが283プロ所属だったのと、アイドルとしっかり向き合い個性を大切にする方針だからです」


 もちろん当たり障りのないことを言う。本当は全て自分のためである。自分の力だけでアイドルをやっていきたいから、浅倉透のことはできるだけ隠し通すことにしている。

 見せたい相手というのも、書類に書いたドルオタの父のことだと思われているだろう。まだ高校生だが、就活生の気分はこんな感じなのだろうか。


「なるほど~。書類に歌とダンスをやってると書いてあるのですが」


「ダンス教室に通ってトレーナーにダンスを教わり、ボイトレを独学でやってます。どちらも小学生の頃から続けています」


 アイドルになると決めたときから応援してくれている親には感謝している。まぁ主に親父の熱が凄かったんだが・・・


「ではアイドルになって目指す目標であったりアイドル像はどうですか~?」


「目指すはトップだけです。トップになるためにパフォーマンスも磨き、ファンを魅了できるアイドルこそ、俺の目標です」


「ユニットでデビューしてもらうことになるのですけど~」


「えぇ、かまいません。ユニットとしても頂点を目指しますし、ユニット内でももちろんトップを狙います」


 ユニットに関しては俺のアイドルロードの妨げになるかもという懸念はあるし、他人に気を使わなければならなくなるから遺憾ではある。しかし283プロはユニットを売りにしているから、納得せざるを得ない。


「はい、わかりました。これでオーディションは終了です~」


 なんだと?たったこれだけで俺の何がわかったというのだ。いや、もう落とすつもりだからこれ以上聞く必要はないのだろうか。


「それでは、これから一緒に活動していただく方を呼んできますので少々お待ちください~」


「え?」


「ふふ。合格ってことです、これからよろしくお願いします~」


 そういって会議室から出ていった。あまりに早い展開で実感が湧かない。歌ってもないし踊ってもないぞ、こんなのでいいのか283プロ・・・まぁいいか、俺のトップアイドルへの第一歩にしては物足りないが進んだことには変わりない。ユニット仲間がどんなやつだろうとリーダー・センターは俺が捥ぎ取る。悪いが俺以外のアイドルは全員踏み台にさせてもらう。
 そんなことを考えていると、ノックの後にさっきのプロデューサーが入ってきた。


「紹介します~」


 プロデューサーの後に続いて男が顔を出す。年齢は俺と同い年ぐらいだろうか、整った顔をしていて独特のオーラが・・・瞬間、俺は震えた。武者震いか、恐怖か、嫌悪か、怒りか、わからない。


「こちら」


 あくまで直感、予想の域を出ない。だがあまりに似ている。あの背中を追い続けた俺だからこその予感。


「浅倉くんです~」


 ・・・・・・なるほど、そういう売り出し方をするのか。こいつはそれを良しとしているのか、癪に障る。ルックスだけは認めてやるが、アイドルはそれだけじゃないんだ。トップアイドルになるための障壁がこんな近くにできるとはな。
 だが、好機だと思った。親の七光りは気に入らないが、こいつを超えることこそ浅倉透を超えることになるはずだ。

 

負けられない

 

こいつにだけは


絶対に

 

透のファン編 ~完~

 

 

〇あとがき

このSSは透に影響されたファンがアイドルを目指すストーリーのプロローグになってます。

このプロローグは3編構成を考えています。

アイドルになった後に組むユニットの3人それぞれの視点です。

一人は透のファン。もう一人は透の息子。もう一人は透の息子の幼馴染になります。

これを言っておくのは、まだ書いてない上に今後書くかもわからないからです。

もし代わりに書いてくださる方がいるなら、設定案やプロットを教えるので連絡ください。

それでは~